―つらい状況がいつまでも続くわけではない。 体験した僕だからこそ言える。必ず明るい未来が待っているってこと―
運営者が小学生と中学生を連れて親子留学していたフィリピンの語学学校で、インターンとして働いていた大学生Sくん。
中学不登校を経験したが、それをばねに大きく飛躍した彼にその体験を聞いた。
○どうして通信制高校(私立)を選んだのですか?
自分のやりたいことが可能だと思ったからです。
高校生活では、時間を有効活用して、学校ではできない面白いことをしてみたいと考えていました。
サポート校の担当者が学校説明を受けた時に、「やりたいことを何でも支援してあげる」と
仰ってくださったため、そのサポート校と提携している通信制高校に進学することを決めました。
○どんな高校生活でしたか?
自分が立てた一日のスケジュールに沿って、生活を送っていました。
自分のペースで学習に取り組め、
自分に合った勉強法が見つかり、効率よく勉強に取り組むことができました。
英検2級、漢検2級合格と結果も残せました。
反面、勉強仲間がいなかったことは大変だったなと思います。
高校3年生から、サポート校が校舎の勉強スペースを提供してくれましたが、
それまでは自分の部屋で黙々と勉強していました。
モチベーションを保つのが難しく、孤独との戦いでもありました。
○なぜ大学へ進学をしようと思ったのですか?
自分の学びたいことを学べる環境があったからです。
中学生の時から、日本の教育を改革したいと考えていて、教育について調べていくうちに
「国際バカロレア」という教育プログラムを知りました。
自分の教育観と驚くほどに合致していたことから、将来は国際バカロレアについて学びたいと考え、
それが実現できる大学に進学をすることにしました。
○大学に入って良かったことは、どんなことですか?
やはり、国際バカロレアの第一人者である教授から指導を受けることができたことです。
理論と実践について多方面から深く学ぶことができ、入学前に思い描いていた学びを
実現することができました。
社会に出る前に自分と向き合えたことも大きかったです。
大学に進学する前は、自分自身についてあまり知りませんでしたが、
過去の出来事の振り返りや自己分析を通して、自分の強みや弱みを知り、
将来どのように生きていけばいいのかイメージを掴む事ができました。
○大学で大変だったことはありますか?
1番は、体力がなかったことです。
高校時代に体力をつけるためランニングしていましたが、それでも足りませんでした。
私の進学した大学の教育学部では、1限目から5~6限目まで授業が入っていることが多く、
体育の授業もあったため、体力がないとやっていけませんでした。
通信制高校から進学するにはハードルがあったと思います。
通学時に自転車や公共交通機関を使わず、2.5キロ歩くようにして、体力をつけることができました。
それから人前での発表に慣れることも大変でした。
教育学部ではグループワーク、プレゼンテーション、模擬授業など、人前で発表する機会が多かったです。
中学校で不登校、高校はサポート校で主に自宅学習をしていましたから、人と接する機会が少なかった分、
人と接することや人前での発表は慣れていませんでした。
積極的に周りの人との関わりを持とうと行動したことと、友達の存在も支えとなり、
徐々に人と接することや人前での発表に慣れていくことができました。
○大学を休学して海外語学学校のインターンシップに参加されました
はい。将来の夢として、国際社会で活躍する人材を育成する教育事業に携わりたいと考えていて、
そのためには自分自身もグローバル人材になる必要があると考えたからです。
○インターンシップに参加して、自分が変わったことと言えばどんなことですか?
コミュニケーション能力が向上したと思います。
語学学校には、様々な文化背景の人々がいたので、スタッフの一員として
一人ひとりにあった対応をするように心がけていました。
多くの人と接するにつれて、柔軟にコミュニケーションを取れるようになりました。
それから、意見を述べる力も向上しました。
会議の際などに積極的に意見を述べることを求められたので、相手に分かりやすく自分の意見を伝える力がつきました。
結論ファーストや理由の分け方などのテクニックが身につき、頭の中が整理されたと思います。
○インターンシップで一番心に残っていることはどんなことですか?
大きなイベントの企画から開催まで担当させていただいたり、
クラブ活動を運営させていただいたことです。
学校を活性化できているという実感が大きなやりがいに繋がりました。
○海外生活で大変だっとことはどんなことですか?
考えや価値観の違いを乗り越えることです。
日本にいた時には出会えなかった人々と交流する中で、自分が知らなかった考えや価値観があることに気づき、
それを理解することでその人たちと上手く関係を築けるようになりました。
それと、滞在中にコロナの影響で滞在国がロックダウンしたこともありました。
公共交通機関が全て止まり、買い物に行くのすら難しい状況が続きました。
美容院も4ヶ月近く行けず、髪を自分で少しずつ切っていました。
ポジティブに考えることの大切さや忍耐力を鍛えることができたので、活きる経験になりました。
○大学に復学されて今はどのような生活ですか?
現在大学4年生で、卒業論文、就活は終えることができました。
まだ、様々な模擬授業や発表が残っているので、卒業に向けて残りの授業を頑張っていきたいです。
○将来のビジョンについて聞かせてください
将来は、教育×ITで日本の教育を多方面から改革したいと考え、内定をいただいたIT企業に就職する予定です。
プログラミングの勉強をしていて、ITパスポートの資格も取得しました。
これからも夢に向かって努力していきます。
Sくん、ありがとうございました。
今後のご活躍を楽しみにしています。
―やるだけやったらあとは子どもの力を信じて任せる!大丈夫ですよ!必ず何とかななっていきますから―
自閉症スペクトラムの診断を受けているTくん。
特別支援学校を卒業し、就職して5年目になる。
今回は運営者の数少ないママ友でもあるTくんのお母さんが学校選択から現在までを話してくれた。
○公立の中学校からの進学先として、どうして特別支援学校を選んだのですか?
当時お世話になっていた通級の先生と相談して決めました。
やはり仕事に直結する道を、と思いました。
特別支援学校は、子どもをよく見てくれて、就職まで導いてくれるというのが魅力でした。
○特別支援学校への進学はかなり狭き門だと聞きます
学校説明会では、一番にやる気を問うと言われました。その点ではTは問題なかったです。
入試は面接と学校に入って何をしたいかを問うテストがありましたが、過去問で勉強して臨みました。
○学校での生活について教えてください
ひとクラス生徒10名に先生が一人。子どもの個性について、かなりよく見てくれました。
勉強に関しては、仕事に必要な小学6年生あたりまでの科目を徹底して教えてもらうという感じ。
また、各学年ごとに何度も仕事に対する講話や職業体験がありました。
ビジネスマナーや言葉遣い、身なりの整え方などを教えてもらい、それらを重ねていくうちに、
できることも増え、自分に何が合っているかが分かるようになったと思います。
○就職はどのように決まったのですか
障害者手帳を持っている、という前提での就職になりますから、在学中に手帳をとりました。
就職先については、自分の希望と、先生が、この企業が合っているのでは?と話をすすめてくれました。
まずは職業体験でその企業で働いてみて、企業の方、先生、親、本人の4者面談で採用が決まります。
うちの子の場合、中々就職が決まらなくて…。
でも、最終的にはとても息子に合った好条件の企業に就職することができました。
○好条件というのは?
特別支援学校からの就職では、名の知れた大手の企業にも就職口があります。
お給料や福利厚生もしっかりしていて一見羨ましいのですが、1年契約などが多く、
子どもたちには厳しい条件になるところもあります。
息子の就職した企業は、手帳を持った人を始めて受け入れたらしいのですが、
雇用期間に制限はないですし、福利厚生もしっかりしています。
頑張りさえすれば、ずっと働けるというのは親としては安心です。
○Tくんはどんなお仕事をしているのですか
メーカーの本社勤務で、製品の受注と発注などの事務作業をパソコンを使ってやっています。
時々は製品を搬入することもあるそうです。
朝は9時出社なんですが、2時間も早く家を出ていますよ。
○2時間も早く?
朝8時に出れば間に合うのに、毎朝6時に家を出ています。
小さい時から電車が好きのTは、途中のターミナル駅で下車して、
いろんな種類の電車の様子を一通り楽しんでから出社するのが日課になっています。
就職してから3年は、貯金しても何も使わなかったんですが、
少し前から時々、休日に新幹線に乗って、大阪まで日帰り旅をしていました。
東京と大阪では見られる電車が違うって。
つい最近は距離が伸びて福岡まで新幹線で行き、1泊してきました!
○豊かなだなー。もうすっかり自立して。
子どもが小さいころは、周りと違うから混乱もしたし、当時のことを思うと、不安だらけだったけど、
目の前のことを一つ一つクリアしていき、過ぎてみれば大丈夫でした!
だから今、頑張っている親子さんに伝えたい。大丈夫ですよって。
○今頑張っているお母さんたちにアドバイスがありますか
なるべく、お医者様でも公共の機関でも頼れるところを一つでも持っておくといいかも。
一生懸命頑張って、誰もほめてくれなくても自画自賛すればいい!
みなさんより、先に経験したけど、大丈夫って言いたい。大丈夫ですよ!
それから、もう私は精一杯やったなーと。あとは、子どもの力に任せるしかない、
いつまでも、やれないし、やる必要もないと思ってます。
自分の人生なんだから、しっかり生きてくださいって、こどもにはそのスタンスで接します!
これからは私の人生も楽しまなきゃ!
ありがとうございました!
私も、この方の、大丈夫!に励まされて生きてきました。
それから、“私は精一杯やったから、あとは子どもに任せる”というスタンスを大いに尊敬しています。
ついつい、口出し、手出し、してしまいそうですが、その年齢なりの自立をさせなきゃいけないと
自分を顧みる機会になりました。
それにしても、Tくんの人生は豊かだなと感じます。素敵な朝活に元気をもらいました!
Tくんとお母さん、ありがとうございました。